こんにちは。「みんなのKETTA」運営者のJです。
自転車チェーンメンテナンスについて調べているということは、チェーンの掃除や注油のやり方が合っているのか不安だったり、ロードバイクやクロスバイクのチェーン汚れが気になっていたり、ママチャリのチェーンがギシギシ鳴いて困っていたりするのかなと思います。
自転車のチェーン掃除やチェーンオイルの選び方、ディグリーザーを使ったチェーン洗浄、日常メンテナンスの頻度は、ネットで調べるといろいろ書いてあって迷いやすいところですよね。
「とりあえず注油しておけばいいのか」「チェーンクリーナーって本当に必要なのか」「室内でやると床が汚れないか心配」など、細かい疑問もたくさん出てくるはずです。
私も通勤用のクロスバイクとロードバイクの両方で試行錯誤してきて、自転車チェーンメンテナンスをサボってチェーンから異音が出たり、逆にやりすぎてオイルを盛りすぎてベタベタにしてしまったこともあります。
その中で「これは初心者のあなたにもそのまま使ってもらえるな」と感じた、チェーン洗浄と注油の現実的なやり方や、用途別のメンテナンス頻度の目安をまとめました。
この記事を読み終えるころには、「自分の自転車にとってちょうどいいチェーンメンテナンス」がイメージできて、今日からさっそく実践できるようになるはずですよ。
-
- 自転車チェーンメンテナンスの基本と考え方
- ロードバイクとママチャリそれぞれの実践的な手入れ方法
- チェーンオイルやディグリーザーの選び方と使い分け
- 雨の日や室内でのチェーンメンテナンス手順とコツ
自転車のチェーンメンテナンス基礎

まずは自転車チェーンメンテナンスの全体像と、どれくらいの頻度で何をやればいいのかを整理していきます。
いきなり難しい道具をそろえなくても、「汚れを落としてから少量のオイルを差す」という流れさえ押さえておけば大丈夫なので、肩の力を抜いて読み進めてみてください。
ここを一度しっかり理解してしまえば、あとは「自分の乗り方」に合わせて微調整していくだけなので、そんなに構えなくて大丈夫ですよ。
最初に気になるのが「どれくらいの頻度でチェーンを掃除して注油すればいいのか」というポイントだと思います。
ここが曖昧だと「やりすぎて時間ばかりかかる」「逆にサボりすぎてチェーンがガリガリ」という両極端になりやすいので、まずはざっくりした目安を持っておくと安心です。
結論としては、使い方や走る環境によって変わるものの、初心者のあなたがスタートラインとして使いやすいように、私は三つのパターンで整理することが多いです。
走行スタイル別の目安
| 乗り方のイメージ | 洗浄の目安 | 注油の目安 |
|---|---|---|
| 週末に街乗り中心 | 1か月に1回程度 | 2〜3週間に1回程度 |
| 通勤・通学でほぼ毎日 | 2〜3週間に1回程度 | 1〜2週間に1回程度 |
| 雨の日もガッツリ走る | 雨のあと毎回軽く洗浄 | 雨のあと毎回注油 |
この表はあくまで一般的な目安であって、「必ずこの通りにやらなきゃダメ」というものではありません。
例えば、同じ「通勤・通学」でも、片道3kmの平坦と片道15kmのアップダウン多めでは、チェーンにかかる負荷や汚れ方がまったく違います。
だからこそ、カレンダーだけを見て機械的に決めるのではなく、チェーンの見た目と音をセットでチェックしてあげるのが大事になってきます。
チェックの基準を自分の中に作る
具体的には、次のようなサインが出てきたら「そろそろメンテナンスしようかな」と考えてみてください。
- チェーン全体が黒く、指で触るとネバっとした汚れが付く
- ペダルが前より少し重く感じる
- シャリシャリ、キュルキュルといった乾いた音がする
- 変速時にチェーンの動きがもたつくように感じる
このあたりは「何キロ走ったから」よりも、体感と見た目の方がアテになります。
実際、チェーンの汚れや摩耗は走行距離だけでなく、気温、雨、砂埃、道路の状態などで大きく変わるからですね。
目で見て汚れているかどうかと、ペダルを回したときの音や軽さを一緒にチェックすると、自分なりのベストな周期が見つかりやすいですよ。
プロの世界でも、「距離」だけでなく「感触」や「音」をかなり大事にしていて、チェーンの状態を耳と脚で判断しているメカニックも多いです。
また、チェーンの摩耗が進みすぎると、チェーンだけでなくスプロケットやチェーンリングなど、他の高価なパーツの寿命も一気に縮んでしまいます。
メーカーによる公式な推奨としても、「チェーンの定期的な清掃と注油は、駆動系全体の寿命を伸ばすために重要」とされています。
例えばSHIMANOは、公式サイトの記事の中で、チェーンをこまめに洗浄して適切に注油することが、効率と耐久性の両面で大きなメリットになると説明しています。
(出典:SHIMANO公式サイト「A clean chain is a fast chain」)
数値的な頻度はどうしても「一般的な目安」になってしまうので、正確な推奨値を知りたい場合は、使っているパーツメーカーの公式サイトや取扱説明書も合わせて確認してみてください。
不安が強いときや高価なコンポーネントを使っている場合は、自転車ショップのメカニックなど専門家に相談して、最終的な判断を任せるのがおすすめです。
そのうえで、この記事で紹介している目安を「自分の感覚とすり合わせるチェックリスト」として活用してもらえると、一番ちょうどいいかなと思います。
ロードバイク向けの自転車チェーンメンテナンス洗浄方法

ロードバイクはギア段数も多く、チェーンがむき出しで回転している時間も長いので、どうしても汚れやすいです。
スピード域も高くなるので、チェーンの抵抗がダイレクトに脚の疲れやすさに影響してきますよね。
ただ、ロードバイクだからといって特別なことをする必要はなく、基本は「乾いたウエスで汚れを拭き取る簡易洗浄」と「時間のあるときにディグリーザーを使ったしっかり洗浄」を使い分けるイメージでOKです。
普段はウエスで拭き取り+軽い洗浄
ライドから帰ってきたら、まずはクランクを逆回転させながらチェーンをウエスで挟み、上下左右の汚れを拭き取ります。
このとき、ウエスは「チェーン用」として1枚決めてしまうと、他の場所を汚さずに済むのでおすすめです。
動きとしては、クランクをゆっくり回しながら、ウエスの位置を少しずつずらしていき、チェーンの側面や裏側まで満遍なく拭き取っていくイメージですね。
この「拭き取りだけ」の簡易洗浄でも、汚れの7〜8割は落ちることが多いので、毎回水やディグリーザーを使う必要はありません。
特に、毎週のように乗る人ほど、重いメンテナンスは続かなくなりがちなので、「1分でできる乾拭き」を習慣にしておいた方が結果的にキレイな状態を保ちやすいです。
ペダルを回しながらチェーンのざらつきがなくなってくると、「あ、今日はここまでで十分だな」という感覚も少しずつ分かってきますよ。
汚れが気になったらディグリーザーでリセット
チェーン全体が黒くテカテカしてきたり、触るだけで指が真っ黒になるようなら、一度ディグリーザーでしっかりリセットしてあげましょう。
このときのポイントは、いきなり強力な溶剤を大量に使うのではなく、「段階的に」落としていくことです。
まずは軽くスプレーしてウエスで拭き取り、それでも落ちないこびりついた汚れだけを重点的に攻めていくイメージですね。
チェーンを車体につけたまま行う場合は、専用のチェーン洗浄機を使ってもいいですし、ウエスにディグリーザーを含ませて繰り返し拭き取っていく方法でも大丈夫です。
洗浄機を使うと、チェーンリンクの隙間に入り込んだ古いオイルや砂粒もかき出してくれるので、「1〜2か月に一度の徹底洗浄」として使うと効果的です。
ただし、ディスクブレーキ装備のロードバイクの場合は、ローターにクリーナーが付着しないように、ホイールを外したり、ローター部分をカバーで保護してから作業するのが安心です。
ディグリーザーは商品によってはフレームの塗装やゴムパーツに良くない場合もあります。
使う前に必ず説明書を読んで、対応素材かどうかを確認してから使うようにしてください。
正確な情報は各商品の公式サイトでチェックし、最終的な判断は自転車ショップなどの専門家に相談するのが安心です。
変速まわりの調整が気になるときは、ギアの基本を整理しておくとチェーンの動きも理解しやすくなります。
例えば、変速の仕組みが不安な場合は、みんなのKETTA内のロードバイクのギアがわからない初心者必見の基礎知識も合わせて読んでおくと、チェーンの動きと変速の関係がかなりスッキリすると思います。
ギアやディレイラーの働きがイメージできるようになると、「この音はチェーンの汚れ」「この違和感は調整不足」といった切り分けもしやすくなりますよ。
ママチャリにおける自転車チェーンメンテナンスポイント

ママチャリの場合はチェーンカバーが付いていることが多く、「そもそもどうやって触ればいいの?」というところで止まってしまいやすいですよね。
でもポイントさえ押さえれば、ママチャリのチェーンもそこまで難しくありません。
むしろ、毎日使うことが多い分、ちょっとしたメンテナンスだけで「漕ぎ出しの軽さ」や「音の静かさ」がすごく変わって、ストレスが一気に減ることも多いです。
チェーンカバー付きは「できる範囲」でOK
フルカバータイプのチェーンケースが付いている場合、全部を外してまで毎回洗浄する必要はありません。
ケースの一部を外せるようなら、その隙間からチェーンを少しずつ露出させて、ウエスで拭き取りながら軽く注油してあげるだけでも効果があります。
カバーのネジを2〜3本外すだけで、下側だけパカっと開いてくれるタイプも多いので、一度どこまで開けられるかだけ確認してみるといいですよ。
もしチェーンに直接アクセスしにくい場合は、「カバーの隙間から少しずつオイルを差していく」「ペダルを回しながら、見える範囲のチェーンだけでも拭き取る」といったライトなやり方でもOKです。
完璧を目指して何もしないより、できる範囲でちょこちょこ触ってあげた方が、結果としてコンディションは良くなります。
サビ対策と安全第一
ママチャリは雨ざらしになりやすく、チェーンのサビが一気に進行しやすいです。
特に、海沿いの地域や、冬場に融雪剤が撒かれるエリアでは、サビの進行は想像以上に早いです。
赤サビが表面にうっすら出ている程度なら、サビ取り剤やワイヤーブラシで落としてから注油すれば、まだしばらく使えるケースもありますが、サビがゴリゴリに固まっているようなら交換を考えた方が安全です。
明らかに赤サビが広がっている場合や、ペダルを踏んだときにガリガリと嫌な感触がある場合は、チェーン自体を交換した方が安全なケースも多いので、無理に自分だけで判断せず、近所の自転車店に一度見てもらうのが安心です。
とくに、子どもを乗せているママチャリや、坂道の多い地域で使っている場合は、チェーン切れがそのまま転倒リスクにつながることもあるので、ここはケチらずプロに見てもらうのがおすすめです。
サビだらけのチェーンは「すぐ切れる」わけではありませんが、負荷がかかったときにトラブルが起きやすい状態です。
通勤や子どもの送迎で使っている場合は特に、無理に乗り続けず専門家の点検を受けることを強くおすすめします。
チェーン以外のブレーキやタイヤも含めて、総合的に安全性をチェックしてもらえるので、一度プロの目を通してもらうと安心感が全然違いますよ。
ママチャリでチェーンが外れやすい場合は、ギアやチェーンの状態が影響していることもあります。
みんなのKETTAでは自転車のチェーン外れたときの原因と対処も詳しくまとめているので、「最近外れやすいな」と感じているなら、一度チェックしておくと安心です。
チェーンが外れるたびに力任せにはめ直していると、リアの変速機やホイール側のパーツを痛めてしまうこともあるので、原因から一緒に潰していきましょう。
必要な道具と自転車チェーンメンテナンスクリーナー

ここからは、自転車チェーンメンテナンスに必要な道具を整理していきます。
全部を一気にそろえる必要はなくて、最初は「最低限」でスタートして、慣れてきたら少しずつ追加していく形で十分です。
私自身も、最初はウエスとオイルだけで始めて、少しずつディグリーザーやチェーン洗浄機などを買い足していきました。
最初にあるとラクな道具は、だいたい次のようなイメージです。
- 古いタオルやウエス(汚れ拭き用)
- チェーン用ディグリーザー(洗浄液)
- 自転車用チェーンオイル
- 使い捨て手袋やエプロン(汚れ防止)
- あればチェーンブラシやチェーン洗浄機
ウエスは新品の布を買う必要はなくて、着古したTシャツやタオルを切ったもので十分です。
むしろ、少し毛羽立っているくらいの方が、チェーンの隙間に入り込んだ汚れを絡め取りやすかったりします。
チェーン洗浄機は必須ではありませんが、「掃除するモードに気持ちを切り替えやすくなる」という意味でも、一台持っているとモチベーションが上がりますよ。
チェーンメンテナンスクリーナーは、自転車専用のものがおすすめです。
ホームセンターの汎用パーツクリーナーでも汚れは落ちますが、成分によってはゴムパーツや塗装への攻撃性が強いものもあるので、最初のうちは「自転車用」と明記されているものを選んでおくと失敗しにくいです。
スプレータイプとボトルタイプがあるので、室内メインなら飛び散りにくいボトルタイプ、屋外メインならスプレータイプ、といった選び方もありだと思います。
私も昔、汎用の強力クリーナーを使ってしまい、タイヤサイドのゴムが白っぽく変色した経験があります。
そのときは走行に支障は出ませんでしたが、見た目も気になりますし、やっぱり専用品を選んでおいた方が安心だなと実感しました。
値段だけで選ぶのではなく、「用途が自転車向けか」「ゴムや樹脂に使えるか」をしっかり確認してから選ぶのがおすすめですよ。
道具をそろえるときにもう一つ意識してほしいのが、「保管場所」です。
チェーンオイルやディグリーザーは揮発性の成分を含むものもあるので、直射日光の当たらない涼しい場所に保管しておくと、品質が長持ちします。
また、小さなお子さんやペットがいる家庭では、誤飲やいたずらを防ぐためにも、高い棚や鍵付きの場所にまとめて保管しておくと安心です。
ディグリーザーを使った自転車チェーンメンテナンス洗浄剤選び

ディグリーザーと一口に言っても、実はけっこう種類があります。
大きく分けると「水で流せる水溶性タイプ」と「揮発していく溶剤タイプ」があって、それぞれで向いている使い方が違います。
ここをなんとなくで選んでしまうと、「思ったより汚れが落ちない」「逆に強すぎて不安」ということになりやすいので、一度整理しておきましょう。
水溶性タイプの特徴
水溶性ディグリーザーは、水で薄めて使えるものや、そのまま使ったあとに水で洗い流すタイプが多いです。
洗浄力がマイルドなものが多く、屋外でじっくり洗車できる環境がある人との相性がいいですね。
チェーンだけでなくスプロケットやプーリーもまとめて洗いやすいのがメリットです。
一方で、水を使う前提なので、マンションのベランダや室内では少し扱いづらい場面もあります。
排水の行き先や、周囲への飛び散りも考える必要があるので、「休みの日に駐車場や洗車スペースでしっかり洗う用」と割り切って使うのがおすすめです。
洗浄後はしっかり水分を拭き取り、できれば数時間は自然乾燥させてから注油した方が、オイルの性能がきちんと発揮されます。
溶剤タイプの特徴
溶剤タイプはスプレーして拭き取るだけでスッと乾いてくれるので、室内やベランダでも使いやすいです。
特に「今日はチェーンだけサッと掃除したい」というときに便利で、ウエスに吹き付けてからチェーンを拭き取るだけでも、かなりスッキリします。
そのかわり、商品によってはプラスチックやゴムへの攻撃性が高いものもあるので、「自転車用」「チェーン用」と書いてあるかどうかをチェックするのが大事なポイントになります。
また、溶剤タイプは揮発するスピードが速いものも多いので、作業中は必ず換気を良くしておきましょう。
窓を開けたり、ベランダに出て作業するだけでもだいぶ違います。
においが気になる場合は、マスクを併用するのもありですね。
どの洗浄剤にしても、説明書に書いてある希釈倍率や使用方法を守ることが一番大切です。
ここを自己流でやりすぎると、塗装を痛めたり、ゴム部品の寿命を縮めてしまうリスクがあります。
正確な情報は必ず公式サイトや取扱説明書で確認し、迷ったときはショップのスタッフに相談してから使うようにしてください。
とくに、高級ホイールや高価なコンポーネントを使っている場合は、「これくらいなら大丈夫だろう」と自己判断せず、専門家の意見を参考にした方が安全です。
最後にもう一つ。
ディグリーザーを使ったあとの廃液は、絶対にそのまま排水溝や土の上に流さないようにしてください。
オイル分や汚れが混じった液体は環境負荷も大きいので、新聞紙やウエスに吸わせて可燃ゴミとして処分できるか、自治体のルールを一度確認しておくと安心です。
少し手間はかかりますが、気持ちよく自転車を楽しむための「大人のマナー」として、ここも一緒に意識していきましょう。
自転車のチェーンメンテナンス実践

ここからは、実際の自転車チェーンメンテナンスの手順を、シーン別に具体的に見ていきます。
室内でできる簡単な方法から、雨のあとにやっておきたいケア、ちょっとマニアックな一コマ注油のコツまで、あなたのスタイルに合わせて取り入れてみてください。
「全部やる」のではなく、「これは真似しやすそうだな」と思ったところから少しずつ試してみるくらいの気持ちで大丈夫ですよ。
室内でできる自転車チェーンメンテナンス手順

マンション住まいや集合住宅だと、「水をジャバジャバ使う洗車は無理」というパターンが多いと思います。
私も基本的には室内かベランダ作業がメインなので、水を使わないチェーンメンテナンスの流れをよく使っています。
ポイントは、汚れを外に出さずに、いかに「閉じた世界」で完結させるかというところです。
準備編:床と壁を守る
まずは新聞紙や段ボール、養生シートなどを床に敷きます。
特に、チェーンの真下と後輪のあたりは汚れが落ちやすいので、念入りにカバーしておきましょう。
スプレータイプのクリーナーを使う場合は、壁側にも汚れてもいい布や段ボールを立てかけておくと安心です。
チェーンオイルやディグリーザーのボトル、ウエス、使い捨て手袋などを、手の届く範囲にまとめておくと作業がスムーズです。
途中で「あれがない」とウロウロしている間に、ディグリーザーが乾きすぎてしまうこともあるので、最初に「ちょっとした作業用トレー」を作っておくイメージですね。
ステップ1:乾拭きで大まかな汚れを落とす
クランクを逆回転させながら、チェーンをウエスで挟んで何周か回します。
このとき、ウエスは軽く折りたたんで、チェーンの側面と上下が包み込めるようにすると、効率よく汚れを取れます。
最初の数周はかなり黒い汚れが付くと思うので、ある程度汚れたら、ウエスのきれいな面に持ち替えて同じ動作を繰り返します。
これだけでもチェーン表面のホコリや古いオイルはかなり落ちてくれます。
作業に慣れてくると、ライド後にこの乾拭きだけやっておくことで、「本格的な洗浄の頻度を減らす」という使い方もできます。
時間にして1〜2分なので、帰宅して玄関に入る前の「ルーティン」として組み込むのもアリかなと思います。
ステップ2:必要に応じてクリーナーをプラス
まだベタつきが残っているようなら、ウエスにチェーンクリーナーを染み込ませて、再度チェーンを挟んで拭き取ります。
スプレーを直接チェーンに吹きかけるより、ウエス側に吹き付けてから使う方が飛び散りも少なく、室内向きです。
少しずつ様子を見ながら、必要な範囲だけクリーナーを足していくイメージで進めてください。
ディグリーザーを使ったあと、チェーンがしっとり濡れたままだと、新しいオイルがうまく定着しないことがあります。
できれば、乾いたウエスでもう一度全体を拭き取り、数分だけ時間をおいてから注油に進むと、仕上がりがかなり変わりますよ。
室内チェーンメンテナンスに慣れてきたら、自転車洗車場を活用して全体の洗車をするのもおすすめです。
みんなのKETTAでは自転車洗車場の選び方と上手に使うポイント15選もまとめているので、たまの徹底洗車の参考にしてみてください。
普段は室内でチェーン周りだけ、月に1回くらいは洗車場で全体をリフレッシュ、という組み合わせもかなり現実的でおすすめです。
室内作業で一番大事なのは、「無理に完璧を目指さないこと」です。
チェーンの汚れをゼロにする必要はなくて、「動きがスムーズで、触っても真っ黒にならない」くらいを目標にした方が続けやすいと思います。
完璧を狙うのは、気合いの入った休日だけでOKです。
チェーンオイル種類と自転車チェーンメンテナンス選び方

チェーンオイルは種類が多すぎて、最初はどれを選べばいいか本当に迷うと思います。
ショップの棚を見ても、ドライ、ウェット、セミウェット、セラミック系、ワックス系など、聞きなれない言葉がずらっと並んでいて、「とりあえず安いやつでいいか…」となりがちですよね。
ここでは難しい化学の話はほどほどにして、実際の使い分けに直結するポイントに絞って整理していきます。
ドライ系オイル
サラッとした軽いオイルで、塵や砂をまといにくいのが特徴です。
晴れの日メインで走る人や、できるだけペダリングを軽くしたいロードバイクに向いています。
オイルが乾いたあとに薄い被膜だけが残るタイプも多く、「触ってもベタベタしない」のが好きというライダーも多いですね。
ただし雨に弱く、持続時間も短めなので、ライドの前後でこまめに差すイメージになります。
特にロングライドの途中で雨に降られたときは、一度チェーンを軽く拭いてから再度注油しないと、帰り道で一気にキュルキュル音が出てくることもあります。
「晴れた日に、きれいな路面で、軽快に走りたい」というシーンに合わせて使うと、メリットを最大限に活かせますよ。
ウェット系オイル
粘度が高めで、油膜が長持ちするタイプです。
通勤や通学で毎日乗る人や、雨の日も走る人、ママチャリなどには使いやすいです。
特に、チェーンカバー付きのシティサイクルでは、外から砂が入りにくいぶん、しっかりした油膜が長く効いてくれるので相性がいいケースも多いです。
その反面、汚れを吸着しやすいので、注油のあとはしっかり拭き取ることがすごく大事になります。
ここをサボると、オイルが汚れを抱え込んだまま固まってしまい、最終的にはドロドロの「研磨剤入りペースト」みたいな状態になって、逆にチェーンの寿命を縮めてしまいます。
ウェット系を使うなら、「注油」と「拭き取り」をセットで一つの作業として覚えてしまうのがおすすめです。
オールラウンドタイプ
ドライとウェットの中間のような性格を持った、バランス型のオイルです。
「とりあえず1本だけ選びたい」という初心者のあなたには、このオールラウンド系をおすすめすることが多いです。
多少の雨でもそれなりに持ってくれて、乾いた路面でもそこまで重たくならない、いわば「平均点の高い万能タイプ」ですね。
どのオイルでも共通しているのは、「多すぎるオイルは逆効果」ということです。
少量をチェーン一コマごとに丁寧に差して、しっかり拭き取ることさえ守れば、そこまで神経質にならなくても大丈夫ですよ。
オイル選びで悩みすぎるより、「正しい量で使う」「余分を拭く」の方が、実は圧倒的に効果が大きかったりします。
オイルの推奨用途や成分はメーカーによって違うので、詳しく知りたいときは必ず公式サイトやパッケージの説明をチェックしましょう。
高価なオイルを使うときほど、最終的な判断はショップのスタッフなど専門家に相談しておくと安心です。
「どれが一番良いか」ではなく、「自分の乗り方に一番合うのはどれか」という目線で選んであげると、失敗しにくいと思います。
雨天走行後の自転車チェーンメンテナンス注油手順

雨の日ライドのあとに何もしないで放置すると、チェーンのサビと汚れが一気に進行します。
ここはほんの数分のケアで差がつくところなので、「雨の日のあとだけは必ずやる」というルールを自分の中で決めておくといいかなと思います。
実際、私もサボったときと、ちゃんとケアしたときで、チェーンの寿命が体感で1.5倍くらい違うなと感じています。
ステップ1:水分と泥を拭き取る
帰宅したらまず、チェーンとスプロケット、ディレイラー周りの泥と水分をウエスで拭き取ります。
タイヤやフレームもついでに軽く拭いておくと、全体のコンディションチェックにもなります。
このとき、ウエスは「泥を落とす用」と「仕上げ用」を分けておくと、最後の仕上がりがきれいになりますよ。
ステップ2:軽くクリーナーで汚れを落とす
泥汚れがひどい場合は、ウエスにディグリーザーを少し染み込ませて、チェーン表面を拭き取ります。
このとき、ディスクブレーキローターやブレーキシューにクリーナーやオイルが付着しないように、パーツの位置関係を意識しながら作業してください。
雨の日の汚れは砂粒や細かい金属粉を含んでいることも多く、そのまま放置すると「ヤスリ」のようにパーツを削ってしまうので、ここでしっかり拭き取っておきたいところです。
ステップ3:少量のオイルを一コマずつ
チェーンがある程度乾いたら、チェーンオイルを一コマごとにちょんちょんと垂らしていきます。
面倒に見えますが、慣れると数分で終わりますし、オイルをムダにしなくて済むのでコスパ的にもおすすめです。
一コマずつ注油していると、途中で「このリンクだけ動きが固いな」「ここのローラーだけ音が違うな」といった異常にも早く気づけるようになります。
ステップ4:しっかり拭き取り
最後にもう一度クランクを回しながら、チェーンをウエスで挟んで余分なオイルを拭き取ります。
この「拭き取り」をサボると、せっかく雨対策で注油したのに、すぐに真っ黒なドロドロチェーンになってしまうので、ここだけは手を抜かないようにしましょう。
外はほぼ乾いているのに、中だけヌルッと動く、あの感触を一度覚えると、拭き取りの大切さが一気に腑に落ちると思います。
雨のあとに注油せず放置すると、数日でサビが浮いたり、異音が出たりすることもあります。
安全のためにも、ブレーキや変速の調子に違和感があれば早めに自転車店で点検してもらいましょう。
正確な状態の判断や調整は、やはりプロのメカニックに任せるのが一番です。
特に、通勤・通学で毎日使っている自転車や、長距離を走るロードバイクの場合は、ほんの少しのトラブルが大きな事故につながることもあるので、「気になったら早めに相談」を合言葉にしておくと安心です。
雨の日のあとにここまでできれば、チェーンのコンディションはかなり良好に保てます。
どうしても時間がない日だけ、「泥を拭き取る」と「軽く注油する」だけでもやっておくと、サビの進行をかなり抑えられますよ。
プロに学ぶ自転車チェーンメンテナンスやり方

ここまでで「普通に走るためのチェーンメンテナンス」はほぼカバーできていますが、最後に少しだけ、プロっぽいこだわりのやり方も紹介しておきます。
全部を真似する必要はないので、「これなら取り入れられそうだな」と感じた部分だけつまみ食いしてもらえればOKです。
競輪選手やメカニックから聞いた細かいコツも交えながら、ちょっとマニアックな世界を覗いてみましょう。
一コマ注油のイメージ
プロメカニックやレース志向のサイクリストは、チェーンオイルを「スプレーで一気に吹きかける」のではなく、一コマずつピンポイントで注油していきます。
潤滑が必要なのはチェーンの外側ではなく、ピンとローラーの接触している内部なので、そこだけを狙うイメージですね。
チェーンのローラー一つひとつに「一滴、もしくは半滴」くらいのイメージで、慎重にノズルを当てていきます。
競輪選手の中には、注射器タイプのオイラーにオイルを移し替えて、超細かく注油している人もいます。
ここまでやる必要はまったくありませんが、「オイルは欲しいところにだけ」「いらないところには付けない」という考え方自体は、日常メンテナンスにもかなり応用できます。
拭き取りは「外はドライ、中はウェット」を目指す
注油後の拭き取りでは、「オイルを残す」のではなく「オイルを抜いていく」感覚が大事です。
外側はほぼ乾いているのに、指でローラーを回すと中だけヌルッと動く状態を目指すと、ペダルが軽くて汚れにくいチェーンに仕上がります。
この状態になるまで、ウエスで何度もチェーンを挟んで拭き取るので、最初は「こんなに取っちゃって大丈夫?」と不安になるかもしれません。
私も最初のころは「せっかく注油したのに拭き取ったらもったいない」と感じて、オイルを盛りすぎていました。
その結果、数日でチェーンが真っ黒になり、逆にメンテナンスが大変になるという失敗を何度もしています。
少なめに差してしっかり拭くくらいが、結局いちばんラクだと思ってもらえるはずです。
プロのメカニックも、仕上げの拭き取りにはかなり時間をかけているので、「拭き取りはオマケではなくメイン作業の一部」と思っておいてもらえると、感覚が変わってくるかなと思います。
ロードバイクを日常的に使っている人は、チェーンだけでなくタイヤやブレーキも含めた定期点検もセットで考えておくと安心です。
例えば、通学でロードを使う人向けにはロードバイクで通学する前に知ってほしいポイントで安全面も含めて詳しく解説しているので、あわせてチェックしてもらえると全体のイメージがつかみやすくなると思います。
「よく走る」「よく止まる」「トラブルが起きにくい」という三つのバランスを保つうえでも、チェーンメンテナンスはかなり大事なピースの一つです。
まとめ:自転車のチェーンメンテナンス

自転車チェーンメンテナンスは、難しそうに見えて実は「汚れを落として、少量のオイルを差して、しっかり拭き取る」というシンプルな流れの繰り返しです。
頻度の目安やオイルの種類はいろいろありますが、あなたの走り方と環境に合わせて、ムリなく続けられるラインを見つけていくのがいちばん大切かなと思います。
最初から完璧を目指す必要はなくて、「とりあえず今日は乾拭きだけ」「週末に時間が取れたらディグリーザーも使ってみよう」くらいの感覚で全然OKです。
チェーンがきれいだと、自転車は本当に別物のように軽く走ってくれます。
ペダルを踏んだ瞬間のスムーズさや静かさは、一度体験するとクセになるはずです。
走り出してすぐに「あ、今日なんか調子いいな」と感じられたら、その小さな変化をぜひ楽しんでみてください。
この記事で紹介した頻度や手順は、あくまで一般的な目安と私自身の経験に基づいたものです。
正確な情報や最新の推奨事項については、必ず各パーツメーカーや商品の公式サイトを確認してください。
また、高価なコンポーネントを使っていたり、安全面が気になる場合は、最終的な判断を自転車ショップの専門家に相談することを強くおすすめします。
あなたの乗り方や予算に合わせた現実的なアドバイスをもらえるはずですよ。
まずはウエスとチェーンオイルだけでも構わないので、今日このあと数分だけ、自分の自転車のチェーンを触ってみてください。
自分の手でメンテナンスした自転車は、きっと今までよりも少し愛着が湧いて、またどこかに走りに行きたくなると思いますよ。
その一歩目として、このページが少しでも役に立ってくれたらうれしいです。


